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名刺情報をデータベース化する3つの方法と顧客管理への活用ポイントを解説

「名刺情報をデータベース化して、顧客管理へ活用したい」
「名刺情報をデータベース化する具体的な方法は?」

顧客や取引先から貰った名刺は、ファイリングやケースに収納するなどといったアナログな方法でも保管できますが、そのような保管方法の場合、必要に応じて名刺情報を活用することが難しいケースもあります。

名刺情報を会社の情報資産として蓄積するためにも、データベース化を検討している企業担当者の方は多いのではないでしょうか?

名刺情報をデータベース化する方法としては、次の3つがあります。

名刺情報をデータベース化する3つの方法

  • Excelを使用する
  • GoogleやMicrosoftが提供しているアプリを使う
  • 名刺管理サービスやアプリを利用する

どの方法でも名刺情報はデータベース化することができますが、ツールの使い方や特徴などはそれぞれ異なります。各特徴をしっかりと把握して、自社に合う方法で名刺情報のデータベース化を進めることが大切です。

そこで本記事では、名刺情報をデータベース化するメリットや方法、データベース化するときの注意点などを、まとめて解説していきます。

この記事を読むと分かること

  • 名刺情報をデータベース化するメリット
  • 名刺情報のデータベース化が向いているケース
  • 名刺情報をデータベース化する3つの方法
  • 名刺情報をデータベース化するときの注意点
  • 名刺情報をデータベース化して顧客管理に活用するときの3つのポイント

この記事を最後までお読みいただけば、自社で名刺情報のデータベース化へ取り組むべきかを判断でき、自社に合う方法でデータベース化と顧客管理への活用に取り組めるようになるでしょう。ぜひ参考にしてみてください。

1.名刺情報をデータベース化するメリット

名刺情報のデータベース化とは、名刺に記載されている氏名や社名、住所などのデータを1箇所に集約し、活用しやすいように整備することです。まずは、名刺情報をデータベース化するメリットをご紹介します。

名刺情報をデータベース化するメリット

  • 顧客管理の精度が向上する
  • 社内で共有ができる
  • 必要なときにすぐに活用できる
  • 名刺を保管するスペースが不要

名刺をファイリングする、束ねて保管するなどのアナログな方法と、どのような点が異なるのかを確認してみましょう。

1-1.顧客管理の精度が向上する

顧客情報(既存顧客、新規の見込み顧客)は、顧客から受け取る名刺の他にも、アンケートやWebサイトのお問い合わせフォームなどからでも獲得できます。しかし、これらの方法で獲得できる情報は信頼性が低い可能性があります。

会社の住所が誤っている場合や、あえて異なる名前を記入している可能性などもゼロではありません。誤った情報をもとに顧客管理を行うと、マーケティングや営業活動の精度が低下する事態も想定されるでしょう。

その点、名刺には正確な住所や氏名、電話番号などが記載されています。名刺に記載された情報のデータベース化を行い、その情報を基に顧客管理を実施することにより、顧客管理の精度が向上します。

特に、自動的に名刺情報を読み取るデジタルツールを活用する場合は、顧客情報の重複や誤った情報を入力してしまうといったリスクが減り、名刺情報を会社の資産として蓄積・活用しやすくなります。

1-2.社内で顧客情報の共有が行える

名刺情報をデータベース化すると、社内共有の資産として活用できます。

例えば、営業課のAさんが、顧客からもらった名刺を個人的に管理しているとしましょう。

Aさんが管理している名刺の情報は、Aさんのみしか把握できないため、他の従業員は把握できません。社内の従業員が個々に名刺を管理すると、顧客情報が分断され、他の従業員からは見えない部分が増えてしまうのです。

名刺情報をデータベース化した場合、社内で情報の共有ができ、顧客情報の一元化が叶います。

  • 顧客情報の一元化

また、名刺を個々で管理していると、他の従業員と顧客、取引先との関係性が掴めません。AさんとBさん、Cさんの3名が同じ取引先と関わっていても、その関係性を可視化できず、取引先に重複する提案や連絡を行ってしまう可能性があります。

名刺情報をデータベース化できれば、顧客や取引先との関係性も可視化できるため、単に名刺情報の共有ができるようになるだけでなく、顧客や取引先の情報も従業員間で共有しやすくなるでしょう。

1-3.必要に応じてすぐに名刺情報を活用できる

名刺をアナログな方法で保管していると、「今すぐに顧客の電話番号が知りたい」「部下に正しい住所を教えたい」といった場合など、名刺情報が必要になった際に、その都度名刺を探す手間がかかってしまいます。

名刺も数十枚であればファイリングすることで検索しやすくなりますが、枚数が増えると、ファイリングしていても必要な名刺を探すだけで一苦労するでしょう。

名刺情報をデータベース化すると、検索機能が使用できます(機能はツールにより異なります)。インターネット検索をするときのように、氏名や社名、住所などを入力するだけですぐに必要な情報にアクセスできます。

ツールによってはスマートフォンやタブレット端末にも対応しているため、外出先で「あの会社に電話をしたい」「正しい社名が思い出せない」となったときにも、その場ですぐに情報を確認できるようになるのです。

1-4.名刺を保管するスペースが不要になる

名刺は増えてくると、管理するスペースの確保やファイリングに手間がかかります。

確かに名刺1枚当たりは小さいですが、数百枚や数千枚になると場所を確保しなければ保管できません。社内の限られたスペースを名刺の保管に割くことは、避けたい人もいるでしょう。

名刺をデータベース化すれば名刺自体を保管する必要がないため、物理的なスペースを確保する必要がありません。名刺をファイリングする手間だけでなく、名刺を管理する棚やファイルを購入する費用も削減できます。

2.名刺情報のデータベース化が向いているケース

名刺情報のデータベース化が向いているケースには、主に次の3つが挙げられます。

名刺情報のデータベース化が向いているケース

  • 名刺の量が多い場合
  • 名刺の情報を社内で共有したい場合
  • 多様な働き方に対応したい場合

社内で名刺情報のデータベース化を行うべきか判断するためにも、ぜひ本章の内容を参考にしてみてください。

2-1.名刺の量が多い場合

1つ目は、保管する名刺の量が多いケースです。既に多くの名刺を保管しており、名刺の管理や活用に負担を感じている場合は、名刺情報をデータベース化すると、業務効率化へ繋がります。

例えば、500枚以上名刺を保有している場合は、特定の取引先の電話番号を探すときに時間がかかってしまいます。これらの名刺情報をデータベース化しておけば、必要な情報へすぐにアクセスできるため、名刺情報を有効活用しやすくなるでしょう。
また、名刺を保管するための場所を取らないため、どれだけ名刺が増えても、デスク周りや収納スペースが狭くなることもありません。

  • 現在保管している名刺の量が多い
  • 今後も名刺の量が増えていくと予想される

という場合には、データベース化を活用するメリットがあるでしょう。

2-2.名刺の情報を社内で共有したい場合

2つ目は、名刺情報を社内で共有したいケースです。「1-2.社内で顧客情報の共有が行える」でも触れましたが、従業員個人で名刺を管理していると、どの従業員が誰と既に繋がっているのか、可視化できません。結果として、フォローできるはずの顧客の情報を社内で共有できず、取引獲得のきっかけを逃しているような可能性も考えられるでしょう。

名刺情報を会社の資産として一元管理できれば、どの従業員も名刺情報へアクセスできます(ツールによっては権限設定ができます)。その結果、従業員それぞれが、取引先や顧客の情報、社内担当者との関係性などを把握でき、マーケティングや営業活動へ有効活用できるようになります。

例えば、名刺情報のデータベースを、過去の営業履歴や商品購入履歴などといった他のデータと紐づけることによって、見込み顧客を抽出することが可能になる場合もあります。

  • 顧客や取引先の情報を社内で共有したい
  • 名刺情報を顧客獲得に役立てたい
  • 名刺情報を過去の営業履歴や商品購入履歴など他の情報と紐づけながら顧客管理を行いたい

といった場合には、名刺情報をデータベース化することをお勧めします。

2-3.多様な働き方に対応したい場合

3つ目は、多様な働き方に対応できるような基盤を社内で整えたい、というケースです。昨今は、会社へ毎日出社をするような従来の働き方だけでなく、在宅勤務やサテライトオフィス勤務など、会社以外の場所で勤務をする働き方が推進されています。

多様な働き方への対応を推進する際に重要となるのが、情報やデータが、社内でいかに共有されている状態にあるか、という点です。例えば、名刺をアナログで保管している場合は、名刺情報が必要となれば、従業員は会社へ出社して名刺の情報を確認しなければなりません。

名刺をデータベース化しておくことができれば、インターネット経由で名刺情報にアクセスできるため、従業員は勤務場所を問わず必要な情報を確認できます。

  • 在宅勤務やサテライトオフィス勤務など、多様な働き方へ対応したい
  • 出張や営業活動などにより、本社への出社が少ない従業員が一定数存在する

このような場合は、名刺情報をデータベース化しておくことにより、従業員がどのような働き方を選択したとしても、業務を滞りなく進めることが可能になります。

3.名刺情報をデータベース化する3つの方法

名刺情報のデータベース化が向いているケースには、主に次の3つが挙げられます。

名刺情報をデータベース化する方法

  • Excelを使用する
  • GoogleやMicrosoftが提供しているアプリを使う
  • 名刺管理サービスやアプリを利用する

それぞれの方法が向いているケースや、各方法を採用した際のメリット、デメリットは異なります。名刺の量や利便性などを考慮しながら、自社で導入しやすい方法を選択しましょう。

3-1.Excelを使用する

名刺を簡単にデータベース化する方法として、Excelを活用する方法があります。Excelに氏名・社名・住所・電話番号・役職・更新日などの項目を設けて、名刺の情報を手入力します。

  • 項目例

名刺情報をデータベース化するための初期設定が難しいと感じる場合には、無料で提供されているテンプレートを活用するといいでしょう。インターネットからテンプレートをダウンロードし、名刺情報を入力することにより、簡単にデータベース化が行えます。

Excelの利用が向いているケース

  • 名刺情報のデータベース化に関するハードルを下げたい場合
  • 管理する名刺の枚数が比較的少ない場合

3-1-1.Excelを利用するメリット

Excelは、Microsoftが提供している表計算ソフトです。経理や在庫管理など、多彩な業務シーンで使用できるため、既に利用している会社も多いでしょう。

そのため、名刺情報のデータベース化を行うためのハードルが低く、手軽に導入できる点が大きなメリットです。情報の入力や閲覧も簡単にできるため、社内に浸透しやすい方法となります。

3-1-2.Excelを利用するデメリット

Excelは、名刺管理に特化したソフトではないため、名刺管理サービスやアプリのように、名刺管理に特化した検索機能や、名刺写真の撮影による情報登録機能などを備えていません。これらの方法と比べると、利便性や使いやすさに欠けるところがデメリットでしょう。

また、社内で情報を共有するためには、名刺情報を入力したExcelファイルを、社内で共有しながら使うことになるため、誰かが誤って情報を削除したり、重複して入力することがないよう、ファイルの取扱いに注意する必要があるでしょう。

3-2.GoogleやMicrosoftが提供しているアプリを使う

Excel以外にもGoogleやMicrosoftが提供している無料アプリを使い、名刺のデータベース化を進めることができます。

名刺のデータベース化ができるアプリ
Microsoft「One Note」 Microsoftが提供している無料のノートアプリ
Google「Google Keep」 Googleが提供している無料のメモ帳アプリ

「One Note」の使い方

①「One Note」を立ち上げて新しいセクションを作成する
②名刺を撮影して画像を取り込む
③名刺の情報をテキスト入力する
(Office Lensを使用して撮影した場合はOCR機能でテキストを抽出可能)

※Microsoftの公式サイトには、名刺管理用のテンプレートも存在

「Google Keep」の使い方

①「Google Keep」を立ち上げる
②写真ボタンをタップして名刺の写真を撮影する
③編集画面を開き「画像からテキストを抽出」をクリックする
④名刺から抽出したテキスト内容を確認して完了ボタンを押す

「One Note」も「Google keep」も、カメラで名刺を撮影することにより、名刺情報をデータベース化できる点が特徴です。検索機能や共有機能も備わっており、Excelよりも名刺管理がしやすくなっています。

GoogleやMicrosoftが提供しているアプリが向いているケース

  • 既にMicrosoftやGoogleのアプリケーションを導入している場合
  • Excelでのデータベース管理よりも、利用者の利便性を追求したい場合

3-2-1.GoogleやMicrosoftが提供しているアプリを使うメリット

「One Note」や「Google Keep」は、GoogleやMicrosoftのアカウントを保有していれば無料で利用できるため、Excelと導入しやすい点がメリットです。例えば、全従業員が「Microsoft 365」を導入していれば、新たにアカウントを作成せずとも「One Note」が利用できます。

また、Excelよりも利便性が高く、名刺の写真を撮影するだけで、名刺情報をデータベース化することが可能です。少しでも手間をかけずに運用したい場合にも向いているでしょう。

3-2-2.GoogleやMicrosoftが提供しているアプリを使うデメリット

「One Note」や「Google Keep」は、企業アカウントで名刺情報の登録を実施するようにルール整備を行うなど、従業員の退職や異動とともに名刺のデータベースが失われない運用方法を検討する必要があります。個人のアカウントで名刺情報のデータベース化を行うと、会社の資産として蓄積できなくなる可能性があります。

また、「One Note」と「Google Keep」はどちらも名刺管理に特化したアプリではないので、次の章で紹介する名刺管理に特化したサービスやアプリに比べると機能が足りない側面もあります。

3-3.名刺管理サービスやアプリを利用する

最後にご紹介する方法が、名刺管理に特化したサービスやアプリを導入する方法です。名刺管理サービスやアプリには、有料のものと無料のものがあり、選択するサービスにより機能が大きく異なります。

名刺管理サービスやアプリで利用できる主な機能
名刺のスキャン・写真での読み込み 名刺をスキャンや写真撮影で読み込みできる
OCR機能 名刺の文字情報を認識し文字データに変換する
グループ化機能 データベース化した情報をグループ分けできる
検索機能 名刺のデータベースを検索できる
セキュリティ対策機能 名刺の読み取り後に端末から画像を削除する、通信の暗号化などセキュリティを強化できる
マルチデバイス対応 パソコンやスマートフォン、タブレットなど多彩なデバイスで使用できる
他ツールとの連携 営業ツールやマーケティングツールなどと連携できる

※利用できる機能はサービスやアプリによって異なります

名刺管理サービスやアプリは、名刺情報のデータベース化へ特化しているため、その「使い易さ」が大きな魅力です。特に、企業向けの名刺管理サービスやアプリは、名刺の読み込み速度や精度にこだわっていることも多く、短時間でより多くの名刺情報をデータベース化できます。

名刺管理サービスやアプリが向いているケース

  • データベース化したい名刺が多い場合
  • データベース化した名刺情報を活用し易い環境を構築したい

3-3-1.名刺管理サービスやアプリを使用するメリット

名刺管理サービスやアプリは、名刺情報のデータベース化を効率よく進められる点がメリットです。名刺の情報をOCR機能やスキャンなどでデータベースへ取り込めるケースが多いため、情報の登録に手間がかかりません。データベース化したい名刺が多い場合に向いているでしょう。

また、名刺情報のデータベースを有効活用できるように、他ツールとの連携や、CSVによる情報の一括ダウンロードなどが可能なサービスもあります。仮に、営業ツールやマーケティングツールと連携できれば、他の情報と紐づけて情報の一元管理をすることも可能です。

3-3-2.名刺管理サービスやアプリを使用するデメリット

名刺管理サービスやアプリには無料ものがありますが、便利な機能が揃った名刺管理サービスやアプリを導入する場合、ランニングコストがかかるケースがあります。無料で導入できる方法と比べて、費用が発生する点はデメリットだと言えるでしょう。

また、名刺をアナログな方法で管理していた企業にとっては、名刺管理サービスやアプリの導入を検討しようとした際、今まで社内に無かった仕組みを取り入れることになります。従業員が問題なくサービスを使用できるようにサポートを行い、利用を浸透させていくことも欠かせません。サービスやアプリを従業員が問題無く運用できるようになれば、享受できるメリットは大きいですが、サービスやアプリの利用開始時には、一定の負担や手間がかかる点は把握しておきましょう。

4.名刺情報をデータベース化するときの注意点

名刺情報をデータベース化する方法が把握できたところで、併せて確認しておきたいことが、名刺情報をデータベース化するときの注意点です。注意点には、次の2つがあります。

名刺情報をデータベース化するときの注意点

  • 個人情報保護法に従って管理する
  • セキュリティ対策を強化する必要がある

データベース化した名刺情報の取り扱いを誤ると、大きなトラブルに発展する可能性もあるため、こうしたポイントは理解しておきましょう。

4-1.個人情報保護法に従って管理する

名刺情報は、そのデータベース化を行う場合、個人情報保護法の定める「個人情報データベース等」に該当します。

個人情報データベース等とは

「個人情報データベース等」とは、個人情報を含む情報の集合物であって、

① 特定の個人情報をコンピュータを用いて検索できるように体系的に構成したもの

② コンピュータを用いていない場合であっても、五十音順に索引を付して並べられた顧客カード等、個人情報を一定の規則に従って整理することにより特定の個人情報を容易に検索することができるよう体系的に構成したものであって、目次、索引、符号等により一般的に容易に検索可能な状態に置かれているもの

出典:個人情報保護委員会ウェブサイト

そのため、個人情報保護法に従って、厳重に管理をしなければなりません。

名刺情報をデータベース化した場合には、個人情報の漏えいを防ぐために、安全管理を徹底しなければなりません。例えば、セキュリティを強化するのはもちろんのこと、名刺情報のデータベースを扱う際の社内ルールを定め、情報の管理体制を整えることが必要です。

また、従業員には、セキュリティに関する教育や、名刺情報が集積されたデータベースを扱う際のルールを指導することも欠かせません。万が一、情報漏えいが起きた場合には、個人情報保護委員会への報告と本人への通知が義務化されています。

このように、個人情報保護法に違反しない形で運用することが欠かせません。

4-2.セキュリティ対策を強化する必要がある

4-1.個人情報保護法に従って管理する」で触れたように、名刺情報をデータベース化すると個人情報保護法が適用されます。データベース化した情報が漏えいしないように、セキュリティを強化する必要があります。

セキュリティを強化するための施策は、会社の環境によって異なりますが、一例として、下記のような方法があります。

セキュリティを強化する方法の一例
セキュリティ対策ソフトの導入 従業員が使用するパソコンへ、最新のセキュリティ対策ソフトを導入する
SSL通信など暗号化での送受信 インターネット上でのデータの送受信にはSSLなどの暗号化技術を使用する
多要素認証の使用 パスワードやID認証だけでなく、生体認証などを組み合わせる
権限の設定 名刺情報のデータベースを編集できる従業員や、閲覧できる従業員などの権限を設定する
セキュリティに関する教育 従業員に対して、セキュリティに関する教育を実施することにより、情報管理に関するトラブルを防ぐ
データベース化のルールの策定 名刺情報のデータベース化を行う際のルールを策定する

名刺管理サービスやアプリのセキュリティを強化しても、社内のパソコンやインターネット環境自体に脆弱性があれば、不正アクセスやウイルス感染の危険性があります。常に最新のウイルス対策ソフトを導入するのはもちろんのこと、社内でのパソコンやインターネットの使用方法を従業員へ指導することが大切です。

また、名刺のデータベースを利用する際のルールも策定し、セキュリティに対する意識を高めておくことも欠かせません。

5.名刺情報をデータベース化して顧客管理へ活用する際の3つのポイント

名刺情報のデータベース化を検討する際は、データベース化した情報を、顧客管理へ活用したいと考えるケースが多いです。そこで最後に、名刺情報をデータベース化し、顧客管理へ活用する際のポイントをご紹介します。

名刺情報をデータベース化して顧客管理へ活用するポイント

  • 他ツールとの連携を検討する
  • データベース化しやすい方法を選択する
  • 入力ミスを防ぐフローを検討する

5-1.他の情報が蓄積されたツールとの連携を検討する

データベース化した名刺情報と、過去の営業履歴や商品購入情報などの紐づけができれば、様々な観点から顧客情報の管理がしやすくなります。

例えば、過去の営業履歴と名刺情報のデータベースが紐づけされていないと、顧客の属性や住まいの地域に変化があった場合、そのデータ変更を見落としてしまう可能性などがあります。点在するデータを集約できれば、より高い精度での営業活動やマーケティング活動ができるようになるでしょう。

名刺管理サービスやアプリによって、連携できる外部のツールや情報は異なります。そのため、導入を検討している名刺管理サービスやアプリが、現在使用している他のシステムと互換性があるのかは確認しておくことがおすすめです。

5-2.データベース化しやすい方法を選択する

名刺情報をデータベース化すること自体のハードルが高い場合、社内で名刺情報を顧客管理へ活用する段階まで至ることが難しくなってしまいます。現在の名刺の量や、今後名刺を取得する量などを踏まえて、データベース化しやすい方法を選択しましょう。

例えば、今後名刺の量が急激に増えることがない場合は、普段使い慣れているソフト(Excelなど)で管理をする方が、データベース化し易いかもしれません。Excelのシートを使い「〇年上半期」「〇下半期」と分けて管理をすると、取得した時期ごとに顧客管理ができるようになります。

毎月登録する名刺の量が多い場合は、名刺管理サービスやアプリを活用するといいでしょう。1枚当たりのデータベース化にかかる時間が短いため、枚数が多くても無理なく対応できます。

データベース化した名刺情報は、長く保管していくことが必要かつ重要になるため、無理なく継続できる方法を選ぶことが大切です。

5-3.情報の入力ミスを防ぐフローを検討する

名刺情報の入力ミスがあると、データの検索性が大きく低下します。例えば、「山田太郎」を、過去に誤って「山田大郎」と入力していた場合、「山田太郎」で検索をかけても、必要な情報を取得することができません。

特に、手入力が必要なExcelや、OCR機能へ未対応の名刺管理サービスやアプリでは、入力ミスが起こりやすいです。名刺情報を人の手でデータベースへ入力しなければならない場合は、二重チェックや上司の確認などのフローを挟むことを検討しましょう。

名刺を破棄してからでは、適切な情報の参照ができなくなってしまうため、顧客管理へ活かせる正確なデータを蓄積することが大切です。

6.まとめ

この記事の要点は、下記のとおりです。

  • 名刺情報をデータベース化すると、「顧客管理の精度が向上する」「社内で顧客情報の共有が行える」「必要に応じてすぐに名刺情報を活用できる」「名刺を保管するスペースが不要になる」というメリットがある
  • 名刺情報のデータベース化は、「名刺の量が多い」「名刺の情報を社内で共有したい」「多様な働き方に対応したい」という場合に向いている
  • 名刺情報をデータベース化する方法には「Excelの利用」「MicrosoftやGoogleが提供しているアプリの利用」「名刺管理サービスやアプリの利用」の3つがある
  • 名刺情報をデータベース化した場合は、個人情報保護法に従い情報を厳重に管理する
  • 名刺情報をデータベース化して顧客管理で活用するときは「他の情報が蓄積されたツールとの連携を検討する」「データベース化しやすい方法を選択する」「情報の入力ミスを防ぐフローを検討する」という3つがポイントとなる

本記事によって、名刺情報をデータベース化するメリットや具体的な方法を把握でき、データベース化を検討する際の判断材料が得られたかと思います。

名刺情報をデータベース化し、会社の資産として営業活動やマーケティングに活用できるようになることは、企業にとって大きなメリットです。特に、名刺の枚数が多く管理が煩雑になっている場合や、多様な働き方へ対応できる仕組みを整えたい場合は、名刺のデータベース化をぜひ検討してみてください。

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この記事を書いた人:PlariTown編集部